第50章 失いたくないもの
〜梢 side〜
翌日の朝──
皆の朝ご飯と自分の弁当用意して、
暦
「いってきまーす」
梢
「いってら〜」
暦はいつものように家を出た。
今日は朝練が無いらしいけど……放課後の部活には、多分行かない気だ。
いつも通りに振舞ってたけど、その表情がいつもより暗い事隠せてなかったよ。
悲しさと寂しさを滲ませた、私が見たくなかった瞳…
きっと、烏野の彼らも気付く…
梢
「辞めちゃダメだよ、暦…」
暦がバレー部に留まれるかどうか…
梢
「全ては彼ら次第、任せたぜ!」
一人で呟いて、無言に戻る。
今日は、いつもよりペンが進まなかった。