第50章 失いたくないもの
暦
「じゃあ、私もう帰るね…会えて良かった」
牛島
「今度、そっちの家に行く」
暦
「!そっか…じゃ、また会えるね!」
梢が誘ったのかな?
暦
「わっくんの事、ずっと応援してるから…これからも頑張ってね!」
牛島
「ああ」
その時、わっくんの手が、私の頭を撫でた。
暦
「‼︎ああぁ、身長差が……小学生の頃は私のが高かったのにっ」
なんか悔しいんだけど…!
牛島
「嫌だったか?」
暦
「別に嫌ではないけど…」
わっくんの手が離れる。
暦
「じゃあ…またね、バイバイ」
わっくんに手を振りながら、私は歩き始めた。
わっくんも振り返してくれた…真顔のままだったけど。