第50章 失いたくないもの
〜暦 side〜
家に帰る前に、車は仙台市体育館に寄った。
宗治
「中で梢が待ってるってよ」
暦
「宗治は?」
行かないのかな…
宗治
「俺はここで待ってる」
暦
「…人混み嫌いだから?」
宗治
「当たり前だろ」
ハッキリ答えるね。
車から降りた私は、段々と人が出て来てる仙台市体育館の中に入った。
予選決勝はもう終わってて…結果は、白鳥沢の優勝だったらしい。
館内で、その試合についての会話があちこちから聞こえて来る。
梢は何処に居るのかな…
『若利に会いに来ること!これは命令ナリ』
メールに勝手な事書いたクセに、肝心の詳しい場所とかは書いてないんだもん…探すのが一苦労だよ!