第50章 失いたくないもの
「若利!そろそろ行くよ!」
白鳥沢のマネージャーちゃんが、若利を呼んだ。
梢
「あー、もう戻らなきゃ?」
頷いた若利が、踵を返した。
牛島
「またな、梢」
梢
「もう直ぐ暦が、ここに来るんスよ」
牛島
「!」
暦と聞いて、若利の足が止まった。
折角だし会えたらと思ったけど…今日はチームに迷惑になるから仕方ない。
梢
「まぁ、そのうち会えると思うけど…暦今、ウチに住んでるから」
牛島
「…そうだったな」
暦も、若利に会えたら喜ぶと思うし。
梢
「今度遊びに来てよ。ウチは、いつでも大歓迎だから」
牛島
「…ああ」
そう答えて、今度こそ若利は、チームメイトの方に戻って行った。