第49章 罪悪感の先
〜暦 side〜
暦
「宗治!」
仙台市体育館を出た先にある道路の脇に、見慣れた車を見つけた。
宗治
「おう」
私はその後部座席に乗って、ドアを閉める。
宗治
「本当に行くのか?」
暦
「…お願い」
宗治は心配してくれたけど、私が答えると後は何も言わず車を出した。
窓にカーテンを引いて、中で私はジャージから私服に着替える。
宗治
「そういや、試合はどうだったんだ?」
暦
「負けちゃった…」
宗治
「…そうか。残念だったな」
ミーティングとか、片付けとか、まだしなきゃいけない事があるのに…
暦
「…皆に、悪い事したよね…」
私は、完全な私事で、今ここに居るんだ。