第10章 秘密
次の日、どうしてもはずせない用事ができてしまったということで、心結は学校が終わってから部活を休んで帰ってしまった。
これまた久しぶりに高尾と緑間、二人で帰る帰り道。
「また!オレが!こぐのかよっ!」
「負けたのだから仕方無いのだよ」
リアカーの後ろで、緑間は縮こまりながらおしるこを飲んでいた。今日は風が強く、昨日に増して寒い。
「…そういえば、高槻はどうした?今日はいなかったみたいだが」
「ああ、心結は用事あるとかで学校終わったら帰ったよ。きっと空の面倒でも見てるんだろー」
「…む、ソラ?」
「真ちゃん知らないっけ?心結の弟!空っつーんだぜ!すげーかわいーの!」
「あいつに弟がいたのか」
「そうそう。でもすげー年離れてんだよな。たしかー……9歳差?」
「かなり離れているのだな」
「そそ。だから今日はアイツが面倒見てんだろ。」
「でも、何故高槻が面倒をみる必要がある?親がいるだろう」
「あー…真ちゃん知らないんだっけ」
高尾は言葉を濁した。
知らないとは、W・Cの前日に心結が言っていたことだろうか。