第10章 秘密
高尾は湯船に顔を沈めた。
でもそろそろ言わなきゃな。
こんなに自分が女々しかったのかとびっくりする。
でも、ずっと言わないのもらしくねーし。
きっと、心結はオレのこと仲の良い幼馴染みとしか思ってないだろうな。
そう思い、なんとも悲しくなった。
オレは違うんだけど。
湯船に顔を沈めて、ぶくぶくと息をはいていると外から妹の声がした。
「お兄ちゃんお風呂長い!もうご飯できたよ!」
「あー、悪いもう出る!」
今まで、何度同じことを考えただろう。
嫌気がさして、オレは勢い良く湯船から出た。