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The Way【黒子のバスケ】

第9章 W・C


「できるな、高尾」


「当たり前だろ!やってやるのだよっ!」



その当時は緑間の発言に心底驚いた。
まさかあの緑間が他人を大いに頼ったシュートをうとうとするなんて。入学当時では考えられないことだ。

でも、今の二人にならできる。
心結はそう思った。 きっと、二人もそう思っているだろう。



『絶対に成功させる。』






「真ちゃん!!!」


緑間がシュートを決めた時、本当に嬉しかった。
だがそれ以上に、二人は嬉しそう。
何かがこみ上げてくるような気がした。

それからチームの雰囲気も、ベンチの雰囲気も明るくなった。応援する側にも熱が篭る。
あのシュートをきっかけに、緑間も高尾も、大坪も木村も宮地も勢いが戻ってきた。
バンバンと点が入る。秀徳はどんどん洛山との点差を詰めていった。


そんな中、心結はふと赤司の方を見やると、笑っていない。さっきまで涼しい顔をしていた赤司の目つきが明らかに変わっている。恐いほどだった。



第4Q 残り4:40.
あと11点に点差を詰めたときだった。
秀徳はオールコートでよりプレッシャーをかける。そしてボールマンの赤司には緑間と高尾がつき、ダブルでDF。その時だった。

赤司は立ち止まり、その場でドリブルをすると、向き直り自陣のゴールに向かってシュートモーションをとった。同じチームの者でさえも、状況が理解できず目を丸くしてその様子を見ていた。だが、赤司は一切戸惑うことなく洛山のゴール目掛けてシュートした。
放たれたボールは誰にも邪魔されることなくゴールに向かって一直線。


「え………?」



その場が騒然とする。自殺点だった。



洛山側も躊躇しているようだった。
が、赤司がチームに何かをいうと、自殺点を入れたにもかかわらずチームのメンバーはその途端に顔色を変え、顔つきも変わった。



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