第8章 それはきっと、
「ちょっと真ちゃん重い!」
「宮地さんが乗っかってくるのだよ!」
「これくらい耐えろよ、轢くぞ」
「宮地見えねーよ!」
「いや、オレも見えないんだが」
「もぉ!…ってうわああぁ」
五人で段々になって見ていると、やっぱりバランスを崩す。重さに耐えかねて、心結が崩れると五人全員がその場に倒れこんだ。
「心結ちゃんに緑間くん!」
「大坪さんと木村さんと宮地さんも何してんすか笑」
いきなり五人が高尾と夢の前になだれ込んできた。二人はびっくりした目でこちらを見ている。
「ちょっと先輩!台無しじゃないですか!」
「わりーわりー」
「重いです、宮地さん」
心結は素早く立ち上がる。
「ごめんね夢!邪魔して!」
「いやっわたしこそ話しててごめん!あ、わたし帰るね!」
そう言うと、夢は恥ずかしそうに顔を赤く染めて足早に帰っていってしまった。
「てか何してたんすか」
「いやぁ、邪魔したらわりーなーって」
「?別に大丈夫っスよ?あ、これ西堂から。」
木村がニヤニヤしながら言うと、高尾は不思議そうに首を傾げ、手に持っていたノートを心結に手渡した。
「お前こんなん書いてたんだな笑」
「…見たんだ」
ノートを手に心結は高尾を睨みつけた。
予想以上の反応に、高尾は笑っていたにも関わらず背筋を凍らせた。
「高尾お前…」
「人のものを勝手に見るとは関心せんな」
「あっ、いや、えっと……ごめん。」
木村と大坪にまで白い目で見られ、高尾は落ち込んだ様子。
「…なーんてね!別に見られて悪いことなんて書いてないから大丈夫だよーだ!びっくりした?」
心結はからかったように高尾の額を小突いた。
「いてっ」
「馬鹿か、お前は」
「つかいつまで喋ってんだよ!早く練習戻ろーぜ!ったく高尾お前パイナップルで殴んぞ」
「何それすげー痛そう!」
「羨ましいぜクソ!」