• テキストサイズ

The Way【黒子のバスケ】

第8章 それはきっと、


高尾は一人で体育館にいた。
心結と緑間は監督に呼び出され、今は体育館にいない。先ほどまで練習をしていた大坪と木村と宮地も一度部室へと戻っていたため、一人になってしまったのだ。
高尾は皆が戻ってくるまで、一人でシュート練習中。


「…あれ?」

長かった委員会を終え、校門へと続く体育館を通り過ぎようとした夢。ドリブルの音を聞いてもしかして、と思い中を覗いてみると、そこには一人シュートに打ち込む高尾の姿が。見つからないようにしばし立ち止まって中を覗く。向こうはこちらに気付いていないようで、練習に夢中だ。
数本シュートをうったところで、高尾は水道へ向かおうと体育館の出口に向かって歩いてきた。見つからないように急いで逃げようとしたが、

「お、西堂じゃん。」


見つかってしまった。高尾は夢の姿を発見して声をかけた。

「どうしたん?」

「ちっ違うの!帰ろうと思って通ったらボールの音が聞こえてきたから!ごめんね邪魔しちゃって!」

「ああ、大丈夫だよ、オレもちょっと休憩。」

「………心結ちゃんたちは?」

「心結たちは監督のとこで、先輩は部室。」


そう言うと高尾は出口を出てすぐの水道で顔を洗った。
冬場の水は冷たく、頭が冴える。


「あ、そうだ。これ心結ちゃん忘れてったの。渡してもらっていいかな?」

夢がカバンから取り出したものは一冊のノート。


「…バスケノート?」

そこには大きな文字でバスケノートと書かれていた。
そこには高尾や緑間と写っている写真、部員みんなで撮った写真が貼ってあった。



「いつも大事そうに書いてたよ。練習試合のこととか、個人の練習メニューのことって言ってたかな」



悪いと思いつつも少し中を覗いてみる。
ペラペラとページをめくるとかなり細かくバスケのことが記載されていた。


「アイツこんなの書いてたのかよwww」

ページの上部にはキャラクターの落書きがたくさん書いてあった。お世辞にもうまいとは言えない。


「なんだよコレwww」


高尾は夢に落書きの部分を開いて見せた。
その不格好さに夢もたまらず笑う。なんとも言えない絵だ。






/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp