第7章 鷹の目
秀徳に入って早数ヶ月。
もう学校にも慣れてわたしは高校生活を楽しんでいた。
最後の全中。
帝光に負けて、バスケが嫌いになりかけた。
でもやっぱりバスケが大好きで、だから今もこうしてバスケ部のマネージャーをしている。
まさか、秀徳に来たらあの時のヤツが同じ学校で、その上同じバスケ部だなんて。ほんとにびっくり。
でももっとびっくりしたのは全中の時の印象とは全く違ったってこと。天才でプライドが高くて、その上頭もよくて偏屈で、いつも変なラッキーアイテムを持ち歩いてて、最初はやっぱり変人だって思ってたけど、今はそこが面白くて好き。いつもツンツンしてるけど本当は優しくて弱気なところもある。
みんなが知らないようなところを知っているようで、嬉しかった。
いつもバスケをして、三人で居残りをして、三人で帰ることが何より楽しかったし、四人でお祭りに行ったのも楽しかった。
そしてこの前打ち明けてくれたこと。考えてることは馬鹿馬鹿しいと思ったけど、話してくれて嬉しかった。
思ってることをちゃんと言ってくれたんだから。
ほんとに緑間くんと出会ってから世界が変わったような気がする。
大袈裟かもしれないけど、世界が反転したみたいに見えるんだ。
なんでだろう。
特別じゃないのに、特別になっちゃったみたい。
やっぱり、緑間くんはすごい。