第7章 鷹の目
オレ達が出会ったのは…いつだったかよく覚えていない。
気付いたらオレ達は友達になってた。
オレがまだ幼稚園に通っていた頃、隣に一人の女の子が越してきた。オレと同い年で、元気な女の子。
母親同士が仲が良く、毎日顔を合わせていたこともあってオレ達も毎日顔を合わせるようになった。子供なんて一言会話を交わせばもう友達のようなもの。同じ幼稚園に通って、家に帰ってきてからもずっと遊んでいた。
そして同じ小学校に入学。テレビで見たバスケの試合にオレ達は釘付けになった。テレビの中にはドリブル突破でダンクを決める外人の選手。それが子供のオレには野球よりも、サッカーよりもかっこよく見えた。
そこからバスケを初めて、楽しくて毎日オレ達はみんなでバスケして遊んだ。友達が帰ってからも、二人で家の前でバスケしてた。それで二人とも真っ黒になって帰ってきて一緒に怒られたこともあったっけ。
また時は経ち二人は同じ中学校に進学。
オレはバスケ部で、アイツはマネージャー。中学生になってもバスケ漬けの日々で、それが何より楽しかった。
みんながいなくなってからも練習して、それに付き合ってもらってた。先輩が引退してレギュラーになって最後の全中。オレ達もけっこう強かったんだぜ?でも最後の相手にすげー点差つけられてボロ負けして、その上相手の態度は最悪。でもオレ達より実力があったのが現実で、悔しくて悔しくて、泣いてもいくら練習してもどうにもならなくて、この機会にバスケをやめようと思ったんだ。でもやめられなかった。それでもやっぱりバスケが大好きだし、それにバスケをしてればいつもアイツがそばにいて支えてくれたから。今となっては続けていてよかったと思う。
こうして心結と真ちゃんと、毎日バスケしてんのが楽しいからさ。