第6章 此処から
「アイツさ、いつもバスケの話ばっかでつまんないだろ?」
「アイツ?」
「心結のこと!」
「つまらなくなんかないよ!いつも助けてもらってて、わたし、本当に心結ちゃんには感謝してるの。」
「…そっか。」
「心結ちゃんから高尾くんの話もよく聞くよ。」
「どんな?」
「バスケのことかな」
「バスケかよwww…ま、心結をよろしくな。アイツにはいつも苦労かけてるからさ、少しでもバスケ以外のことも楽しんでもらいたいし!」
「……うんっ…高尾くん優しいね。」
「そうでもねーよ。」
そう言うと、高尾は少しはにかみながらペットボトルに入っているジュースを飲み干した。ポケットに入っている携帯を取り出して時間を見ると、花火が始まる20:00まであと15分だ。
「真ちゃんと心結、まだ戻ってこねーな。花火まであと15分なんだけど」
「わたし電話してみるね!」
何回かかけ続けていると、電話は心結と繋がった。
『心結ちゃん!花火まであと15分だから早く戻ってきて!』
「なんだって?」
「今から戻るって!」
数分後、緑間と心結はちゃっかり大きな袋を抱えて戻ってきた。