第1章 はじまり
「秀徳なら伝統もあって、強いし、この前試合見に行ったんだけどすごくいいチームだなって思って!」
あの日見た試合を思い出すとワクワクして顔が笑顔になった。それを見て和成も笑う。
「じゃあ、またお前がマネージャーだな!」
「わたしは一般で受験するから受かればの話だよ!」
まだ中学3年生の夏。受験本番までまだ時間がある。
「お前なら受かんだろ~」
そう言って苦い顔をするがお前はもう高校が決まってるようなものだろと内心突っ込む。口には出さないが。
「それより、まさか高校まで同じになるなんてな〜」
和成とは幼稚園の時から今までずっと一緒。
まさか高校まで一緒になるとはわたしも思っていなかった。和成もわたしと同じ、あの時見たバスケの試合以来、バスケが大好きになってバスケを始めた。
いくる日もいくる日も一緒にバスケをして泥だらけになって帰ってきて一緒に怒られたっけ。