第1章 はじまり
小学生の時も、中学生の時も、バスケ部に入りほかの誰よりもたくさん練習していた。
本当に努力していたのをマネージャーであり幼馴染みであるわたしは一応知っているつもりだ。
最後の全中が終わるまでは。
「和成がまだバスケするって知ってすごい安心した。」
和成に向けてにっこり笑ってみせた。
和成も笑顔で返してくれる。
「当たり前だろ、まだバスケ大好きだし!」
そう言ってくれて心底ホッとした。
中学校最後の大会、最後の相手にあんなにボロボロに負けて、チームメイトとも色々あって、バスケを嫌いになってしまったのではないかと心配していた。
帰り道、1人泣いていたところも見てしまったし。
「心結もバスケ好きだろ?」
「当たり前!」
そう言って迎えた春。
私は無事第一希望に合格し秀徳高校に入学した。