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The Way【黒子のバスケ】

第5章 replay


高尾、緑間は帰りがてら大坪の話を聞きながら歩いていた。大通りの道を三人で並んで歩く。


「いやあ…いっつもコワイイメージしかなかったから…なんつーか意外っすねーあーゆーとこ見るの」


「そうか…お前らは知らなかったか
オレには見慣れた光景だったんだがな」


二人は意外そうに、「へ~」っと声をあげる。
大坪は少し間をおいてからまた口を開いた。


「……宮地は怖いか?」


「チョーコワイっすね!真ちゃんとか何度かチビってますからねー」


「チビってないのだよ!」


大坪はふーっと長く息をはいてから続けた。


「まあ厳しい奴だからな。人にも、自分にも。
今まで周りの何倍も練習してきて二年の夏にレギュラー入り、スタメンに選ばれたのは三年になってからだ。」


二人は大坪の背中を見ながら、黙ってその話を聞いていた。


「決して才能がないわけじゃない。…それでも、血の滲むような努力をしてここまで来たのさ。そしてそれは木村も同様だ。」


よく走り込みしている木村の姿を思い出す。



「だから誰よりもレギュラーである自負と責任を感じているし、周囲から信頼もされてる。お前らには少しキビしいかもしれんが」


確かに、いつもいつも怒鳴りつけられている。
たまになんだこの先輩と思うこともある。でもそれは努力をしているからこそできることであって、周りは皆その努力を知っている。
二年生は、三年生が厳しくてもいつも文句を言わずそれに従っていた。理由はそこにあったのだ。


「それにあれでなかなかいい所も…あ、そうだ」


そう言って大坪はガサガサと自分のカバンを漁り始めた。そして中からうちわのようなものを取り出すと、緑間に手渡した。



「緑間これ宮地から、探してたろ。明日のラッキーアイテムアイドルうちわ」


それはアイドルであろう女の子の写真が印刷されているうちわだった。
おは朝は翌日の占いも教えてくれるらしい。



「ってかコレ宮地サンの私物っすか!?」


「ああ、あいつの推しメンだからソレ。なくすなよ」


「推しメっ?ブフォッ」


さっきとは一転、高尾は思わぬ出来事に笑い転げている。





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