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The Way【黒子のバスケ】

第17章 もう大丈夫




卒業式は無事に終了し、長かったLHRを終え、高尾、緑間、心結はすぐさま部室に向かった。
部室のドアをあけると既に大坪や木村、宮地を含めその他先輩達が何人も狭いこの部室に集まっていた。


「お、来たか」


先輩達は懐かしむような目で今まで使用してきたバスケットボールやロッカーを眺めていた。その目線は温かく、けれどどこか寂しげ。それを見ているとこっちまで寂しい気持ちになるような気がした。


「今まで世話になった部室だからな。ここに来られるのもこれが最後だし、もう少しここにいようか」


もう既に送別会は終わっており、実質この部室に来るのも、体育館に来るのも今日が最後だ。
ウィンターカップが終わり先輩達が引退してかなり寂しい思いをしたが、明日からは先輩達は部活に来なくなるどころか学校にも来なくなる。もう簡単には会えなくなるのだ。


「お前達にはたくさん迷惑をかけた。だが感謝している。今まで一緒にバスケしてくれてありがとう」


「大坪さん…っ!」


大坪のその言葉に高尾はもはや涙目だ。
緑間も心結も涙を堪えるような表情をしているし、木村と宮地も笑ってはいるがその目は憂いを含んでいた。


「オレ達が達成できなかった日本一、お前達ならできると思ってる。だから頑張れよ!」

「できなかったらまた軽トラで轢きに戻ってくるからな!」

「その時はまた軽トラ貸すぜ!」


「できるので大丈夫です」


先輩達に、緑間はそう答えた。


「お、頼もしいな」


「オレと真ちゃんとみんなで今度こそ日本一になってやりますよ!」


「言うじゃねーか」


「頑張ります!!!」


「できるだろう。お前達には高槻達もついているからな」


「えへへっ」


大坪の言葉に、心結は照れくさそうに笑った。


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