第16章 ユラユラ
けれどこれをそのまま渡すわけにもいかず、夢は一度このお守りをカバンの中にしまった。
「汚くなっちゃったからまた新しいの作ってくるね!」
「いや、それでいい。お前がオレのために初めて作ってくれたもんだろ?」
「でも汚れてるしボロボロだから!」
「これがいいんだよ!」
こんなに汚いものではなくて、またちゃんとしたものを渡そうと思っていたのだが高尾はどうしてもこれがいいらしい。
「きっとこのお守りのおかげでオレもお前も無事でいられたしこうなれたんだからさ、これがいいんだよ。」
高尾にそう言われ、夢は渋々ながらまたカバンの中からお守りを取り出して高尾に手渡した。