第16章 ユラユラ
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「じゃあなんか食べに行こっか!」
高尾と別れた話を心結に言うと、元気づけようとしてくれたのかおいしいものを食べに行こうと誘ってくれた。
「せっかくだから今日はわたしが奢ってあげよう〜」
「そんな!大丈夫だから!」
「任せとけ〜」
大丈夫と言っているにも関わらず、心結は胸を張りながらそのまま歩いていってしまった。
いつもは学校から徒歩で通っているせいもあるが、いつも心結は部活が忙しくて学校帰りに一緒に出掛けるということもなかった。だからとても嬉しいのだが反対に気を遣わせてしまった上に奢ってもらうのはなんとも気が引ける。
「何食べに行く?電車乗って違うところにでも行ってみよっかー」
「電車乗るのはいいけど奢ってもらうのはほんとに大丈夫だから!」
「はいはい〜」
心結は適当に返事をしているけれど、心結は一度言い出したらやるタイプだ。何を考えているか分からない。
心結のあとを追いかけて、やっと隣に追いつくとなんとも不思議な感じがした。久し振りに二人で学校の帰り道を歩いている気がする。前は行きも帰りも一緒だったのに、お互い相手ができてからはこんなこともなくなってしまったから。
いつも一番に心配してくれて、いつも相談にのってくれていたのは心結だった。同じ学校になって、同じクラスになって仲良くなって、そのおかげで高尾とも出会えて好きになって付き合うことにもなったのに、自分のせいでみんなに迷惑をかけて応援してくれていた心結にも申し訳ない気持ちになった。