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The Way【黒子のバスケ】

第16章 ユラユラ





なんでいつも、





「……夢が無事でよかった」



なんで、



「高尾くんっ……ごめんなさい…ごめんなさいっ…」



溢れ出る涙が止まらない。ただ泣くことと謝ること、そして何より高尾の無事を祈ることしかできなくて、悔しくて怖くて大粒の涙が夢の頬を伝い、そして高尾の頬にも落ちた。


すると、遠くから救急車のサイレンの音が。


「おい坊主!救急車来たぞ!」



なんで、



「おー…おっさんサンキュー…」


あの耳につく、大きなサイレンを鳴らしながら救急車が割って入ってきた。後ろにはすぐパトカーもいる。
救急車は止まると、すぐさま救急隊員が担架を持って降りてきた。
倒れている高尾を見ると、男二人がかりで高尾を持ち上げ担架に乗せ、そのまま救急車の中へと運んだ。


「加害者の方は?」


そう警察に問われ名乗り出るトラックの運転手。
その光景を見ていると、救急隊員から声をかけられた。


「高尾くんの彼女さんですか?」


『彼女さんですか?』


そう言われ、一瞬YESと言うことを躊躇った。



「…わたしは、」


なんで、



「とりあえず同乗お願いします。病院まで運ぶので、詳しいことは中で聞きましょう」


とりあえず頷いて、真っ白なまま、真っ白な救急車に乗り込んだ。





ーーーーーーなんで高尾くんは、わたしのこと好きじゃないのにこんなことしてくれるの?






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