第4章 秀徳高校バスケ部
ブハッ
高尾はたまらなくなって吹き出した。
「なぜ笑う」
「そっちこそなんでだよ!?言うの?オレが?」
大声をあげて笑う高尾に、緑間のイライラはさらに増していく。
「『ボク 君にボコボコにされてから頑張ってきたんだ!認めて!』って?ダッセェ!」
「………………」
「…そんなつもりねーだろーけど、むしろまだ認めんなよ。オレはただお前より練習するって自分で決めたことやってるだけだ。」
緑間はただ黙って高尾の話を聞いていた。
体育館に高尾の声が響き渡る。
「そのうち、思わずうなるようなパスしてやっから覚えとけよ真ちゃん!」
真っ赤な夕日が高尾の顔を染め上げた。
外では何羽ものカラスが鳴いている。
「…その呼び方はなれなれしいからやめろ高尾」
その日二人は日が落ちてからも練習を続けた。