第15章 緑とオレンジ
『悪いのは全部わたし』
心結にそう告げた。
今日あったことを考えながら放課後、夢は帰るために下駄箱からローファーを取り出し、上履きと履き替えた。
本当ならいつもここで高尾と待ち合わせをしているが、もう今はどんなに待っても高尾は来ない。
高尾くんは何も悪くない。
全部わたしが悪い。
そんなこと、もう分かっている。
じゅうぶん分かっているはずなのに謝るどころか声すらかけられない。未だにそんな思いを断ち切れずにいた。
本当は今だってこのお守りを高尾に手渡したい。だからこうやって捨てようとしたはずなのに捨てられずに毎日カバンの中に入れて持ち歩いている。
高尾くんにちゃんと言わなければいけないことがあるのに。
仕方がないと自分に言い聞かせながらトボトボ歩いていると、いきなりポンと肩を叩かれた。自分のことで精一杯で、周りなんて全く見ていなかった。驚いてすぐさま顔を上げると、そこには、、