• テキストサイズ

The Way【黒子のバスケ】

第15章 緑とオレンジ





「ついた!!!」


最後の一歩を踏み出した、その時に見えたものはまずキラキラに光る夜景。


そして辺りを見回すと、カップルだろうか、ひと組の男女が目に入った。



わぁ、…ちょっと気まずいなぁ。



そこには隣の男の子に抱きつきながらニコニコ話す女の子の姿。



あれ?



もしかして、




「っ………」


「夢!はえーよ!」


「っ!」


後ろには急いで夢の後を追ってきた高尾の姿が。
夢は息を呑んで高尾を振り返った。


「高尾くんっ!ごめんなさい、やっぱり帰ろう?」


「へ?なんで?」


「あのっ……カップルがいて……」


「気にすることねーじゃん。すげー夜景だぜ?」


「キスっ……したりしてたからっ、だから……恥ずかしいし気まずいしっ……」


咄嗟に嘘をついた。


「…じゃあやめっか」


「…ごめんなさいっ」



そのまま、二人はその場を後にした。


きっと、あの距離なら自分の存在に気付いていないはず。
ーーー心結も、緑間も、高尾も。


気付いていないことを祈ってただ夢は坂道を下り続けた。




/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp