第15章 緑とオレンジ
昨日のことがあってから、また少し距離が縮まったと思う。
互いの気持ちを知ってからまだ少ししか時間が経っていないけれど、それまでの関係が自分たちを作っているから何も心配することはない。
なんて。
そんなことを言っているけれど緑間はどう思っているのか。何にせよ、相手があの緑間だから想像できない。
何かを求めているわけではないが今までの関係が邪魔をして、それ以下にもそれ以上にもなれない気がする。
緑間だから、なおさら。
「…わたしは真ちゃんのこと大好きなんだけどなぁ」
そんなことを考えながら、心結は小さくため息をついた。
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「…ねぇねぇ夢」
「ん、なに?」
突然、心結がポツリと呟いた。
「…和成ってさ、どんな感じ?」
「どんな感じ?」
「うん!その…デートとかってもうした?」
「しっしてない!」
いきなりの"デート"という単語に夢は顔を赤くした。
「いきなりどうしたの!?」
問い返すと、心結は膝を抱えて蹲った。
そして腕の隙間から顔を出して言う。
「…和成と夢はどんな感じなのかなーって思って…」
「どんな感じ?」
「うん。わたし付き合うどころか好きな人できるのも初めてだから、どうしたらいいかわからなくて…」
「わたしだって付き合うのは初めてだよ。だから何をしたらいいのかわからないし」
「でも和成は思ったことをハッキリ言う人だから…わかりやすく態度で示してくれるでしょ?」
「まぁ……確かに」
「……うーん」