第4章 秀徳高校バスケ部
練習終了後、1年生は速やかに下校するよう促された。
一息つき制服に着替え、高尾を待とうと校門に行こうとした。
その途中、体育館を通ると誰もいないはずの体育館からバッシュのスキール音とドリブルの音。
中を覗くとそこには数名居残りで練習をしている生徒がいた。
心結はしばらくそっと中を覗いていた。
すると後ろから高尾が名前を呼びながら走ってきた。
「わりー遅くなった!」
「しーっ」
心結は口元に人差し指を当てて見せる。
「中で先輩達が練習してるの。居残りで練習してるんだね」
高尾も中を覗いた。
「おーっさすがだなぁ」
中の先輩達は皆集中していてこちらに気付いていないらしい。
「俺も、やらなきゃなぁ」
高尾がぽつりと呟いた。
夕日に照らされた目は本気そのものだった。
「言ってくれれば、付き合うよ。今日から秀徳バスケ部、わたしはマネージャーなんだからね」
「ん。サンキュ。…よっしゃ!来週から始めるか!」
「うん!これから頑張ろ!」