第15章 緑とオレンジ
「めっちゃ羨ましがってたぜ〜!な?真ちゃん」
「あ、あぁ」
それを聞いて、なんだか改めてほんとに恋人同士になったのだと実感する。
まだ慣れていないせいか、妙に恥ずかしくなった。
部のメンバーは大体皆知っているし、クラスの中でも噂になっているらしい。
『心結ちゃん、緑間くんと付き合ってるんだって!』
『え、ほんと!?高槻さんと緑間くん?』
『性格とか全然違うのにね!』
『そうそう!緑間くんは高槻さんみたいな人がタイプなんだ〜』
『でもなんだかお似合いかも』
とか、
『あの緑間に彼女!?しかも隣のクラスの高槻だってよ!』
『アイツも恋とかするんだなwww』
『まぁバスケ部とマネージャーで前から仲良かったみたいだし』
『それにしてもあのキセキの世代の緑間真太郎がか…』
『アイツのこと、ただのヘンなやつだと思ってたけど相手が高槻とか意外だな〜』
『でもなんかお似合いだよな』
そんなことを言われているらしい。
気にして聞いているつもりはないのだが、友達からそんなことを聞く。
悪く言われているわけではないのに、なぜか気にしてしまう。
高校生なんて、誰が誰と付き合っているということだけでネタになるのだが、それがあの我が校のバスケ部エース・緑間真太郎のこととなるとさらに話のネタになるのだろう。
最初は驚かれるが、最後には皆口々に
『でもなんかお似合いだよね』
そう言ってくれる。
それは素直に嬉しいが妙な感覚に襲われた。
「真ちゃんは噂とかされるの嫌いそうだもんね」
「嫌いだ。何かあるなら直接言ってほしいのだよ」