第14章 Beat
いきなりすぎることに驚き戸惑いながらも、やはりこうなることをずっと望んでいた。
高尾が好きと言ってくれるならそれに答えたいし、今までのことがどうであれいいと思う。
そこまで高尾を好きになっていたなんて、今になって改めてびっくりだ。
「……西堂」
「どうしたの?」
「このこと、いつ心結たちに報告すっか」
「いつでも大丈夫だよ。高尾くんが言いたい時に」
「じゃあ、明日言うわ」
「……うん」
「それとさ、」
「うん」
「西堂のこと、夢って呼んでいい?」
「えっ」
「…ダメ?」
「だっだめじゃないよ!ただ…」
「ただ?」
「ずっと名字で呼ばれてたから変な感じだな、って…」
「そんな理由かよwww…いいじゃん。その方が恋人っぽくてさ!」
「……うん」
「オレのことも名前で呼んでいいぜ。和成って」
「……うんっ」
「夢!ほら、お前も呼んでみろって」
「……かずなり、くん」
「顔真っ赤!」
「呼びなれないから!やっぱり高尾くん!」
「呼びなれないならまた今度でいいよ。」
「…ごめんね。」
「いいって!……好きだぜ、夢」
きゅん。
ただ名前を呼ばれただけできゅんとする。
あの日から、高尾は会って話をする度に好きだと言ってくれるようになった。
付き合うことになってまだ一日しか経っていないがドキドキの連続で既に心臓が破裂しそうだ。
明日心結と緑間に報告しようとなった時も、なぜだか妙に心臓がドキドキした。