第14章 Beat
「……はいっ」
考えるよりも早く、気が付いたら「はい」と言ってしまっていた。
「……西堂…好きだ」
「わたしも高尾くんが好き…っ」
そのまま夢は高尾の制服の袖をキュッと握った。
なぜだか、涙がこみ上げてくる。
今まで募り募った想いが全て吐き出されたようだった。
「西堂……」
名前を呼ばれる度に胸が締め付けられるように苦しくなって、想いと涙が溢れた。
しばらく抱き合っていると、高尾が腕を離して頭を撫でてくれた。
慣れていない出来事に、くすぐったくて恥ずかしいけれどなんとも嬉しくて、自然と笑みが溢れる。
「西堂」
「……ん?」
「好き。…ごめんな。」