第14章 Beat
もしかしたら、高尾くんがわたしのことを好きになってくれるんじゃないか、って………
図々しいと思ったがそれだけ高尾のことが好きなんだと痛感して、またチクリ、と胸が痛くなる。
まだ高尾くんが心結ちゃんを好きだとしても、いつか少しでもその目がわたしに移ってくれたら…
そんなことを考えながら、あの公園までもう少しのところまで来ると高尾は言った。
「…なんかお前といると落ち着くんだよなぁ」
「………っ」
いきなりの言葉に、焦らずにはいられない。
「…顔、真っ赤!」
「…ちがっ」
焦る夢を横目に、高尾はケラケラと笑っている。
「ハハハッ」
「高尾くん!」
「わりーって!」
「もうっ……」
心臓が脈打ってうるさい。
本当に、高校生になってからドキドキしっぱなしだ。
「……西堂さ、まだオレのこと好き?」
「えっ……」
これまたいきなりの質問にまた夢は頬を赤くした。
なぜ今さらこんなことを聞くのだろう。
「……好き?」
「……好き」
「ん?」
「……好きだよっ」
夢は目をつむりながら真っ赤な顔で答えた。
「……サンキュ」
ニコッ
そう言うと高尾はいつものような笑顔を見せてくれた。
やっぱり、その笑顔はキラキラ輝いて見える。
見とれて佇んでいると、テクテクと高尾は先を歩いていってしまった。
「突っ立ってると置いてっちまうぞー!」
「あっ!待って!」
夢は慌てて高尾の後を追った。