第14章 Beat
高尾にとって夢と緑間は幼馴染みと相棒の関係。
それ以上に、何でも話せて、頼れる唯一の存在だった。
遠慮なんて、必要ない。
必要なかったのに。
やはり夢と緑間がこんな関係になった今、二人が話しているところには割り込めない。
以前ならばお構いなしで二人の会話に割り込んで話してたし、反対に向こうが割り込んできても特になんとも思わなかった。
でもやはり関係が変わってしまったら話しかけることさえも躊躇うようになる。
二人の時間を邪魔しちゃいけないと思うようにもなるし、何より高尾自身が二人を避け始めた。
そして、その分夢と話すようになった。
夢は以前と変わらず心結と仲良しで、廊下では二人楽しそうに会話している姿を見つけては罪悪感に襲われた。
夢は今、何を考えているのだろうか。
こんな結末になってしまったことに同情しているのか、それとも、、、
少なくとも、最低なことをしたとは自負している。
前以上に、今は夢と会話しているのだから。
夢が高尾に対してどう思っているのかは分からないが、それでも夢は以前と変わらず笑いながら高尾の話に相槌をうっていた。
「……なぁ西堂」
「どうしたの?高尾くん」
「今日、部活ねーんだ。だから一緒に帰んね?」
「……うんっ」
夢と緑間に断って、高尾は夢に声をかけた。
今さらこんなことを言うのはおかしいと思ったけれど、あの時のことを謝りたいと思ったのだ。