第14章 Beat
そんなこともお構いなしで、高尾はあの時、夢を強く強く抱き締めた。
夢に、心結の存在を重ねるように。
一言で言ってしまえば、あの時ーーー
オレはあの時、自分の都合のいいように西堂を利用した。
西堂の想いに漬け込んで、西堂を利用したんだ。
絶対に西堂を傷付けた。
あの時はただ自分だけ救われればいいと思った。
今思うとホントに最低だ。
そこまでしてオレが手に入れたいものはなんだったんだ?
西堂を傷付けてまで手にしたかったものは……
もう、考えれば考えるほど分かんねぇ…
それでもまだオレは、変えようとしない。
最低だと自負しながらも、まだ少しだけ、西堂を利用する。