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The Way【黒子のバスケ】

第14章 Beat



高尾を怖がるような目で恐る恐る公園の入口に姿を現した夢。



「気付いてねーと思った?ホークアイなめんなよー。見えてんだかんな!」


「……ごめんなさいっ」


「別に怒ってねーって!心結と真ちゃんは気付いてねーみてーだったし」



目を瞑って謝る夢に、高尾は顔の前で手を振って見せた。
夢は俯いたまま顔を上げようとしない。



「……ごめんなさい、帰り道に三人を見かけたから声をかけようと思ったんだけど…」


「あんな話してちゃ話しかけらんねーよな。」



夢は頷くことさえできなかった。



「……付き合うことになったんだってさ。あいつらが互いを好きだってことは知ってたろ?オレも最近知ったんだけどなぁ」


かける言葉が見つからない。
何を言っていいのか到底頭に浮かんでこなかった。



「…両想いなんて知ったら告白なんてできるわけねーじゃん。」


「……高尾くん」


恐る恐る、少しだけ顔を上げると寂しそうに笑いながら俯く高尾の顔が目に入った。




あぁ、やっぱり高尾くんは心結ちゃんが好きなんだ。




「……すげーかっこわりぃ」



高尾くん。




わたしなら、高尾くんを悲しませることなんてしないのに。




ずっとそばにいるのに。




それができないなんて、なんてもどかしいんだろう。




「……なぁ西堂、」



「……ん?」



高尾は俯いていた顔を上げ、夢の目を見た。

高尾と目が合う。
普段ならすぐさま逸らすはずなのに、今だけは逸らせなかった。逸らしてはいけないような気さえした。



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