第14章 Beat
正義感が強いところとか、よく人の心配をするところとか。
「…放っておけなくなる。」
「……へ?」
きょとんとする心結に、緑間は続ける。
「危なっかしくて放っておけなくなるのだよ。だから目が離せなくなる。」
「………///」
予想もしていなかったいきなりの言葉に、心結は頬を赤く染めた。
「ごめんなさい……///」
「…いや、問題ないのだよ。」
いきなりの言葉に恥ずかしくて顔を上げられない。
心結の姿を見て、なぜだか緑間も恥ずかしくなった。
「………高槻」
「…はいっ」
「…今日の試合、お前のことを考えながら人事を尽くした。だからこの前の言葉通り…」
この前の言葉。
鼓動が速くなって、ドキドキが収まらない。
恥ずかしくて緑間の顔を面と向かって見られなくて、心結はきゅっと目を瞑って俯いた。
「…顔を上げてくれないか?」
恥ずかしくて緑間の顔を見るのは嫌だったけれど、緑間の言うことを断るのはもっと嫌で、心結は渋々ゆっくりと顔を上げた。
顔を上げると自分の顔を見つめている緑間と目が合って、心結はまた顔を背けようとした。だが、それは緑間の手によって阻まれてしまった。
心結の頬を両手で包んで、自分へと向かせる緑間。もう目を逸らす方法がなくて、恥ずかしさで今にも爆発してしまいそうなほどだ。
緑間は心結の頬から手を離すと言った。
「…高槻」
「…はいっ」
公園には二人以外に誰もいない。
その場は静まり返って、二人の話し声以外は何も聞こえなかった。