第14章 Beat
部活が終わって解散したあと、高尾は急いで家へと帰っていってしまった。
高尾と別れを告げると、緑間から声をかけられた。
「……高槻」
「ん?」
「とりあえず帰るのだよ。」
「うんっ!」
すると緑間は黙って先に歩き始めた。
置いていかれまいと、心結も後を追った。
緑間の後ろにぴったりとくっつくようにゆっくりと歩く心結。
お互い緊張しているのか、なかなか口を開かない。
何か言った方がいいのか悩んでいると、先に口を開いたのは緑間だった。
「…公園に行かないか?」
「公園?」
「空と遊んだあの公園だ。」
「……行く!」
一拍置いてから、心結は緑間の背中を見て答えた。
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二人で黙りながらとぼとぼと歩いていくと、あの時の公園が見えた。
もう時間も遅いからか、公園には誰もいない。
「…空は元気か?」
「うん!空、真ちゃんにまた会いたいーって言ってたよ」
「そうか、なら今度は一緒にバスケをするのだよ。」
「空もよろこぶ!」
変に緊張してしまって、なんと返事をしていいのか分からない。
緊張を紛らわすために公園内を見回すと、あの時と何も変わっていなかった。
「真ちゃん、すごく面倒見がよくてびっくりしちゃった!」
「一応妹がいるからな。子供は苦手だが…」
「そっか!真ちゃんの妹さん見てみたいな〜」
「あまり似ていないのだよ。特に性格が」
「お母さんとも似てなかったもんね!気になる」
「高槻と空は似ているのだよ。」
「え、どこが?」
「顔もだが、雰囲気とか…」
「そうかなぁ?」
「ああ。よく似ているのだよ」