第14章 Beat
緑間に告白されて、告白してやっと分かった。
緑間に対するこの想いは突然のものなんかじゃなく、前からずっとあるものだったんだ。
入学当初は嫌いで、ずっと嫌なヤツだと思ってたのにそれはただの勘違いで本当はすごく優しいし面白い。
いっつもラッキーアイテムを持ち歩いていて、馬鹿みたいに鈍感で頑固で変人だけどそこが好き。
おかしいと自分でも思うが、あえて短所とも言うべきところを好きになってしまったのだからどうしようもない。
苦手から興味へ。
興味から尊敬へ。
尊敬から憧れへ。
憧れから恋心へ。
まさかこんなに着々と緑間に対する想いが恋心に変わるとは自分でも思わなかった。
『緑間に対する想いは恋心とは違う』
前にそんなことを言ったが、今思えば尊敬から憧れに変わった時から緑間を異性として意識し始めていたのかもしれない。
自分も緑間に負けないほど恋愛に疎いではないか。
これが恋をすることだとやっと分かった。
前はあんなに苦手だったのに、今は緑間のことを考えただけで鼓動が早くなる。
このドキドキはまだまだしばらく続きそうだ。