第14章 Beat
「「心結!」」
「ん?どうしたの?」
次の日の放課後、体育館へ向かう廊下を歩いていると、マネージャー仲間二人から声をかけられた。
「どうしたのじゃなくて!大丈夫なの!?」
「…ああ!」
思い出したように、心結はポンと手を叩いた。
「昨日、いきなり心結が倒れちゃうからびっくりしたんだよ!?もう大丈夫なの?」
「うん!ただの貧血だから大丈夫だよ。ごめんね!」
「よかったぁ…みんなで心配してたんだよ!」
「ありがと!昨日はゆっくり休んだし、今日からまた頑張るからね!」
「うん!………それとさ、」
「それと?」
何故か二人は顔に?マークを浮かべている心結を見てニヤニヤと笑った。
「昨日心結が倒れた時ね、」
「みんなびっくりしてあたふたしてたんだけど…」
「…?うん。」
「てか!意識がなかった心結を保健室まで運んだの、誰だか分かる!?」
「意識なかったから分かんないと思うけど!」
「え、みんなが担架で運んでくれたんじゃないの?ごめんね!重かったよね!」
「「違うのー!」」
「違うの?」
少し溜めてから二人は目を輝かせて言った。
「「緑間くんが!!!運んでくれたの!!!」」
「え?」
「担架持ってこようと思ってたんだけど…そしたら緑間くんが!」
「緑間くんが割って入ってきて、『オレが連れていく』キリッ って!!!」
「え?」
「それでね、緑間くんが心結を抱き上げて、お姫様だっこして連れてってくれたんだよ!!!」
「えええええええ!!!??」
その瞬間、顔を真っ赤にさせる心結。
「緑間くんめっちゃかっこよかったの!あの緑間くんだよ!?みんなびっくりしてたよ〜」
「緑間くんって変な人だけど、バスケうまいし頭もいいし、背も高くてよくよく考えると顔も整っててかっこいいよね〜」
二人は完全に緑間の話で盛り上がっている。
一方、心結は頬を真っ赤に染めて自分の顔をぺちぺち叩いていた。