第14章 Beat
「分かるか?交際をしてほしい、と……」
「彼女になってくださいってこと?」
ただ緑間はコクリと小さく頷く。
「互いに好きだということが分かったら交際をするのだろう?高校生が異性と交際するなど、不埒と思っていたがお前とならと思ったのだよ。だから……」
「え、いまさら?てか不埒ってwwwwww」
「い、今更とはなんなのだよ!」
「だって、こーゆーのってお互いが両想いだって気付いた時からなってるものかなって」
「…そうなのか?」
「わたしはそう思ってた」
「だが…こういうものは男から先に言うべきだと聞いたのだよ。それにオレにもプライドがある。」
「どんなプライドなのwww」
「…しっかりとケジメをつけてからお前を…」
「でも、シュートはずして試合に負けちゃったらどうするの?」
「オレがシュートをはずして試合に負けると思うか?ありえないのだよ。もう結果は決まっているようなものだ」
「ならなおさらやる意味ないよ!」
「お前が懸かっているのだからな、最大限の人事を尽くすのだよ。」
「………///」
さっきのパニック状態とは反対に、今は満足げな顔をしている緑間。
なんだかそれが嬉しくて、恥ずかしくて今度は心結が赤くなった。
「なら……頑張ってね?」
「当たり前なのだよ!」
「てか、ほんと真ちゃんてヘンな人!なんでわざわざそんなことするの?」
「な、なんでもいいだろう!」
お前への気持ちを見せ付ける為なんて、言えるわけがないのだよ。
言葉で言い表せないぶん、バスケで………
「とにかく!来週よく見ているのだよ。」
「真ちゃんのかっこいいとこ、よく見てるね。」
そう言って心結はにっこりと笑った。
ドキン。
「………///」
告白した今でも、高槻といると胸が苦しくなって調子が狂うのだよ。オレではないようだ。
まだしばらくこの調子が続くだろうと、口元を緩ませながらはぁっとため息をつく緑間だった。