第14章 Beat
結局その後も心結と緑間は体育館に戻らなかった。
心結はまだベッドの上で安静に、緑間はその横でずっと心結と話をしていた。
両想いだと気付いたあとも特に関係は変わらず。
普段通り口下手な緑間とそれを笑って見ている心結。
でもなんだかいつもよりそれが楽しく思えた。
「来週、練習試合があるのだよ。」
突然、緑間が言った。
「練習試合がどうしたの?」
「……その試合でオレがシュートをはずすことなく勝ったら……」
何故だか緑間は顔を赤らめて口ごもった。
「勝ったら?」
「勝ったら………」
緑間が何を言いたいのかさっぱり分からず、心結はキョトンと首を傾げた。けれど緑間の表情は赤くなってはいるが真剣そのもの。
「勝ったら、オレと」
「オレと?」
「つ、つき、つきあってほしいのだよ!!!」
「えっ」
「ラッキーアイテム探しに!!!」
「えええっ」
もう緑間はパニック状態だ。訳が分からなくなっている。
心結もいきなりのことに訳が分からず。
「ラッキーアイテム探し???試合に勝ったらラッキーアイテム探し付き合えばいいの?」
「いやっ違うのだよ!間違えた。ラッキーアイテム探しに付き合うのではなく、」
「?????」
「その、オレと………」
「オレと?」
「つ、付き合うのだよ!!!」
「つきあうのだよ?……へ?」
「聞こえなかったのか!?」
「ごめん分かんなかったもう一回」
「〜〜〜!!!」
ツキアウノダヨ?
「付き合うのだよ?」
「……そ、そうだ。練習試合でオレがシュートをはずすことなく、その上試合に勝ったらオレと…付き合ってほしいのだよ。」
緑間は真っ赤な顔で答えた。