第13章 Heart
「……お前も、なのか?」
「…?」
「お前も、オレと同じなのか?」
「うんっ……真ちゃんが好き」
今度ははっきり、緑間の顔が赤くなっているのが分かる。
きっと今、わたしもおんなじくらい赤くなっていると思う。
それに、おかしくなりそうなくらいドキドキして、身体が熱い。
「真ちゃんが大好き……っ」
「………オレも高槻が好きだ」
本当に嬉しくて、幸せで、自然と顔が綻ぶ。
「へへっ…両想い、だったんだね。」
「そう、だな…」
「わたし、真ちゃんがわたしのこと好きだったって知ってたよ。」
「なっ、なぜ知っているのだよ!」
「だって前、動悸がして苦しくなるって言ってくれたもんね。」
「それは本当に動悸がしたから…」
「そんなの、もう好きって言ってるようなもんだって!」
「む……まさかオレが高槻みたいな世話が焼ける女を…」
「そんな女を好きになったのは誰ですか!」
「本当に人生とは何が起こるか分からないのだよ…」
「もう!そうやってツンツンしないの!変人緑間!」
悔しそうにむすっとする緑間が可愛くて、心結はクスクスと笑った。
「お前こそ、そんなオレを好きになったのだろう?」
「……好きになっちゃったんだから仕方ないもん。」
緑間は満足気に笑った。
「…それより、さっきの話だ。」
「さっきの話?」
「お前が迷惑だ、とか自分勝手だ、とか」
緑間の言葉の意味が分からなくて、首を傾げた。
「お前はあれだけ自分を責めてはいたが、オレこそお前に謝らなければいけないのだよ。」
「真ちゃんが?なんで?」
緑間はコホン、とひとつ咳払いをしてから続けた。
「いつもオレは我が儘で自分勝手だろう。バスケをしている時も、私生活でも迷惑をかけてしまっているのだよ。」
「まだそんなこと気にしてたの?真ちゃんはバカだなぁ」
「バカとは何なのだよ」
「そんなこと気にしてないし、わたしは真ちゃんのそういうとこを好きになったんだよ。だからもうそんなこと言わないでね。」
前にもこんな会話した気がする。
懐かしくなって、その時のことを思い出して笑った。