第13章 Heart
「……ん……」
うっすらと目を開けると、そこは真っ白な世界だった。
「…高槻…?」
真っ白な天井に真っ白なカーテン。そして真っ白なベッド。
わたしは何をしていたのだろうか。
「大丈夫か?気分は悪くないか?」
「しん、ちゃん…?わたし、」
そして心配そうな顔の緑間がいた。
「わたし、なんでこんなとこに…」
「覚えていないか?お前は部活中に気を失って倒れたのだよ。貧血だろう。」
そうだ、とてつもなく眠くて、意識が朦朧として気持ち悪かったんだ。
「保健室の先生はこれから出張があるそうで帰ってしまったが保健室は使用していいと言っていたから安心するのだよ。」
「うん。ありがとう…」
気を失ってしまったのか。
「真ちゃんごめん…また迷惑かけちゃった…」
「気にすることはないのだよ。それより、今は落ち着くまでもう少し安静にしていた方がいい。疲れが溜まっていたのだろう。」
「うん。ありがとう…」
わたしは、またみんなに迷惑をかけてしまったのか。
そして緑間にも。
わたしのせいで、きっと騒ぎになっただろうな。
部活が中断してしまって、誰かがここまで運んでくれて、大変だったんだろうな…
そう思うと本当に嫌になって、目の前にいる緑間にも申し訳なくて、目に涙が溜まる。
「ごめんね…いつも迷惑ばっかかけちゃって…っ」
「高槻…?」
「ごめんなさい…っまた迷惑かけて、いつも自分勝手で…真ちゃんに嫌な思いさせちゃってごめんなさい…っ」
本当に申し訳ない気持ちで埋め尽くされて、言葉が出るたびに今までの思いを堪えられなくなって、涙が溢れて止まらなくなる。
緑間の顔を見るのが怖くて、泣いているところを見られたくなくて両手で顔を覆った。
もうこの際、緑間にめんどくさいと思われようが、嫌だと思われようがよかった。覚悟をして、胸のうちを話して、震える声のまま嗚咽を飲み込んだ。
「この前のことだって…っ真ちゃんに最低なことして…」
「高槻」
「ごめんなさい…っ」
「高槻!」