第13章 Heart
選手達の記録をはかったり、練習着の洗濯をしたり、スポーツドリンクを作ったり、やることはいっぱいあるのに声が出せないし脚が動かない。
頭が朦朧として、辺りが白く見える。
ちょっとやばいかな?
なんか、霞んでよく見えないし気持ち悪くて立ってられない。
わたし、どうしちゃったんだろ………
ほんとにやばいかも……
……真ちゃんっ……
バタンッ
「!?」
「高槻!?」
心結はその場に倒れ込んだ。
その場は騒然となり、皆がバスケをしていた手を止めた。
「心結大丈夫!?心結!!」
「早く保健室に連れてかないと!」
「担架持ってくる!」
監督のいない体育館の中で、どうにかしようとあたふたとする部員達。
すると、群がる人の波をかき分けて緑間が倒れている心結の前に立った。
「待て、オレが連れていく。」
「……え?」
騒然とする中で、緑間が心結の前にしゃがみこみ、体を持ち上げた。
「オレが抱いていった方が早いのだよ。」
そう言うと、緑間は心結の体を抱えて体育館を出て行った。
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「ちわーす」
「あ!高尾おせーよ!」
「わりー委員会長くてさー」
「それより!高槻が!」
「心結?がどうしたんだよ」
「高槻が!倒れて今保健室に…」
「…は?今何つった?」
「だから!何分か前、部活中にぶっ倒れて保健室に…って高尾!どこ行くんだよ!」
「わりー…ちょっと保健室行ってくるわ」
気付いたら足が動いていた。
いきなりのことに、状況が理解できない。
でも、行かなきゃってことだけは分かった。
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