第13章 Heart
数日間休んでいた分を取り戻そうと、心結は放課後、部活の時間は一生懸命に仕事をした。
疲れきっていながらも、やることは全てこなした。
それでもやることは尽きない。
それに、やっと真ちゃんへの想いを夢にも相談できた。
話していたことは恥ずかしくて、緊張していたからあまり覚えていない。
今思い出しても顔が熱くなってくるほどだ。
「……心結」
「………………」
「心結!」
「えっ!?」
気付かない心結に耐えかねて、高尾は後ろから心結の肩を掴んだ。
それに驚いて、心結もびくりと体を震わせた。
「呼んでんのに気付かねーんだもん」
「えっ、うそごめん!」
急いで振り返ると、額の汗を拭っている高尾がいた。
「ボール、貸せよ。かたしとくから!」
「あっありがとう」
心結は礼を言いながら高尾にバスケットボールを差し出した。
時計を見ると、気付けばもう部活終了の時間。
眠くて、ぼーっとしていて気が付かなかった。
バスケットボールを片付けて、バッシュの紐を解く高尾。目をこすっていると横から声をかけられた。
「大丈夫かよ?すげー眠そうじゃん。疲れてんじゃねーの?」
「大丈夫!全然眠くないもん!」
「今日、オレと喋ってる間もずっとあくびしてたくせに何言ってんだよ。」
「ん〜…眠いけど、大丈夫だよ。」
「あんま無理してないで、ちゃんと休んで寝ろよ。今度はお前が具合悪くなるぞー」
「うん!ありがと。」
「おぅ。じゃ、着替えてくるわー」
周りから見ても眠いのが分かるようで、、少し恥ずかしくなる。
自分ではあくびも堪えていたつもりなのだが、全くそうではなかったらしい。
確かにこれ以上なく眠いし、体が怠い。
とりあえず今日は家に帰ったら早く寝ないといけないみたいだ。
心結はおぼつかない足取りで帰宅し、そのままベッドにダイブした。