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The Way【黒子のバスケ】

第13章 Heart


祖母が風邪を引いていることならもう高尾には言った。
家のことならなら高尾はもちろん、緑間や中谷監督、担任の先生だって事情を知っている。
監督は特に、そのことを気にかけてくれていた。

祖母の看病といって休んでも何も言われることはないだろう。


とりあえず心結は生徒手帳を取り出し、そこに記載されている学校の番号に電話をかけた。
担任の先生に繋いでもらい、事情を説明して高尾には監督にも言っておいてほしいと連絡をした。

祖母の具合がよくなるまで、しばらく学校も部活も休むと。



返事はすぐに返ってきた。


『大丈夫かよ?とりあえず、監督には伝えとくから!お前もムリすんなよ』


その文章を読んで少しだけ安心した。
いくらインフルエンザと言っても、高齢者がインフルエンザにかかるとどれだけ大変な思いをするかも知っている。だから尚更心結は心配だったのだ。

本当は学校にも、部活にも行きたかったが今は祖母の方が大事だ。
父がいた頃から、仕事が大変で両親がいない時も祖母が優しく自分の面倒を見てくれていた。
空が生まれ、父が亡くなり、母の海外転勤が増えてもそれは変わらず、むしろそれ以上に苦労や迷惑をかけていると思う。まだ小さい空や、心結に気をつかっていつでも家に来ていいと、心結にとっては一番安心する場所であった。

そんな祖母のためにも、大変な思いはさせたくないし恩返しがしたいと思っていた心結はこうして学校も部活も休み看病や家事、あらゆる仕事をこなした。


無理に立ち上がろうとする祖母を制止し、掃除や洗濯、料理など出来る限りのことはやった。
祖母が今までやってきてくれたことはこれほどまでに大変なのかと身に染みて分かる。



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