第13章 Heart
「あ、お兄ちゃんおかえり!お母さん出掛けてるけど…ってどうしたの?泣いてるの?」
「……ちげーよ。雨、降ってきたんだ」
「うそ!?服干しっぱなしだ!」
そう言うと妹はドタバタと階段をのぼっていった。
…ホントにバカみてぇ。
何が占いだよ。何がラッキーデーだよ。
やっぱ占いなんてあてになんねぇじゃん。
おは朝占いだってはずすんだよ。
ちょっとでも浮き足立ってたオレがバカだった。
なんで、好きになった時に言わなかったんだ?
あの時なら、緑間と出会う前ならこんなことにはならなかったかもしれないのに。
虚無感と後悔だけが残った。
全ては、いつまでも悩んで思い切れなかったオレが悪かったんだ。
まさかこんな形になってしまうなんて。
しばらく、その場に立ち尽くしたまま動けなかった。