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The Way【黒子のバスケ】

第13章 Heart


心結は切なげな目で高尾を見つめた。



そんな目でオレのこと見んなよ、ますます緊張するじゃん。



やっべ、かわいい……



「真ちゃんとケンカしてる理由もこれなの」



「……え?」



真ちゃんとケンカしてる理由?




「どうしていいか分かんなくて…」





あたふたと焦ったように言葉を紡ぐ心結。
何が言いたいのかサッパリ分からない。





でも、何故だかいい予感はしなかった。










「わたしっ…真ちゃんのこと好きになっちゃったみたい……っ」







は?


今なんつった?





それすらも分からなかった。



「…わりぃ、なんて言ったかよく聞こえなかったわ」


「…だから、好きになっちゃったかも、って…」



好きになっちゃったかも?緑間を?




頭が真っ白になって言葉が出てこなかった。




「真ちゃんとケンカしてるのもたぶんこのことが理由で……って和成聞いてる?」




心結の声も耳に入ってこなかった。
それくらい、頭が混乱していた。


何が起こったのか分からなくて、しばらく思考を精一杯働かせて考える。


心結が、緑間を好き?マジで言ってんの?




「……あぁ、わりぃ聞いてる」



「…和成ならわたしより一緒にいる時間長いし、ってゆーかいつも真ちゃんと一緒にいるし、男同士だから真ちゃんのこと分かるかなって思って……!」



道端の街灯が心結の顔を照らす。
淡い街灯の光でも分かるくらい、心結の顔は赤く火照っていた。
もうすぐで冬も終わるのに、その時だけは真冬に戻ったように体が冷たく感じた。


その後も心結が一方的にことの経緯を話してたんだけどオレはただぼーっと相槌を打っているだけ。
何も考えられなくて、心結が何を話しているのかもよく聞いていなかった。



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