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The Way【黒子のバスケ】

第13章 Heart


途中で緑間を下ろして、後ろを向くと遠くに歩く心結の姿が見えた。
言うなら今しかないと決心して高尾は心結の名前を呼んだ。それに気付いた心結は走って高尾のもとに駆け寄る。



「ホラ、帰ろーぜ。」


「うん!」


二人とも口を開かずにとぼとぼと歩く。
こんな空気になるなんて珍しい。いつも一緒にいるときは必ずどちらかが口を開いてうるさくなるはずなのに、今日は二人とも黙ったままだった。

そこから少し歩けばもう家なのだが、二人は並んで口を開くことなくゆっくりと歩いていった。


「……つか、早く仲直りしろって」


重苦しい空気に耐えかねて、高尾が口を開いた。


「……うん」


「いつまで続けるつもりだよ?つかマジで何があったん!」


「……和成に、聞いてほしいことがあるの。」



家まであと数メートルになったところで俯いたまま心結が言った。


「………実はオレもある。」


「和成も?」



そうだ、しっかりと心結に聞いてほしいこと。
言わなければならないことがある。
二年間、ずっと心に閉じ込めていたこの想いを。



「和成から言っていいよ?」


「いや、お前から言えって」


「そんなこと言われると、言いにくくなっちゃう」


「それはオレも同じ!お前から言い出したんだろ!早く言えよ!」


「……じゃあ」


今から告白するんだから話はあとにとっておきたい。

目の前には心結がいる。


改めて見ると、思ってたよりも小せぇなぁ。オレが伸びたからかもしんねーけど、ここまで身長差があったとは思ってなかったぜ。
小学生の頃はオレより心結の方がデカかったのに。


つかやべぇ、今までにないくらい緊張してる。
W・Cの時以上かも。
今までは普通の『仲の良い幼馴染み』だったのに、見方が変わって、好きなヤツを目の前にすると心臓が爆発しそうだ。


「こんな話するの和成が初めてだから!すごく言いにくいんだけど…」



オレがはじめて?なんの話だよ?





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