第12章 キミのせい
「真ちゃんはきっと、心結のこと異性として好きなんだよ。付き合いたいって思ってるっしょ?」
「そ、そんなこと思っていないのだよ!」
オレが高槻に好意を持っているというのか?
理由が分かって一気に恥ずかしくなった。
「ありえん!高校生が交際?ふ、不埒な!!!」
「不埒!wwwwwwwww」
「それにオレにはバスケがある。そんなたるんだこと、してはいけないのだよ」
「高校生なんだし、恋くらいしてもいいと思うんだけどなー?もっと素直になれって」
顔が熱くなるのが分かる。鼓動も早くなっている。
そうか、異性を好きになるとはこういうことか。
この気持ちを認めて、素直になればいいのだろうか。
「まぁ、付き合いたいって思ってなくても真ちゃんが心結を異性として好きなのは間違いねーな。……にしても!」
そう言うといきなり高尾は大声で笑い出した。
「なっ、何がおかしいのだよ」
「だって!だってさ?あの緑間が恋?その上心結に?そんな面白い話ないっしょ!!!」
「…笑うな。自分でも驚いているのだよ」
「つか、それより恋してんのを本気で病気と勘違いするとか!マンガかよマジで!真ちゃんほんとおもしれーわ!!!」
高尾は爆笑しすぎてもはや涙目だ。
恥ずかしくて、それを止めようと緑間は高尾にバスケットボールを投げつけた。
高尾は持ち前の運動神経でいきなり投げつけられたボールも見事にキャッチ。
「ごめんって!でもほんとにおもしれーんだもん!」
「うるさい。ホラ、原因が分かったら練習に戻るぞ!」
「はいはーい。でも真ちゃん!」
「なんなのだよ」
「ごめん、先に言っとくわ」
「……ん?」
高尾は左手でボールを持ち、右手で緑間を指さして言った。
「いくら真ちゃんでも、今回だけは譲れねーわ!」
「???」
言葉の意味が分からず、緑間は顔に?マークを浮かべた。高尾は鼻歌を歌いながらもう既に一人で練習を始めている。
気がかりではあったが、とりあえず言えたことでスッキリした。緑間も一人黙々とシュート練習を始めた。