第12章 キミのせい
「………最近、高槻と一緒にいたり、話したりしていると動悸がする。胸が熱くなって落ち着かないのだよ。……これはなんだ?オレは本当におかしくなってしまったのか?」
「…………真ちゃん、それ多分オレ知ってるわ」
「知っているだと?なんなのだよ!」
「……知りたい?」
「当たり前だろう。早く言うのだよ」
高尾は俯いていた顔を上げて真っ直ぐ緑間の顔を見た。
そして言う。
「病は病でもそれはきっと、『恋の病』だよ、真ちゃん」
「恋………?」
「そう。きっと真ちゃんは心結のこと好きなんだって」
恋?
恋とは、恋愛のことか?
好き?
オレが?高槻を?
確かに、嫌いではないが。
「恋するとその人の顔見ただけで嬉しくなるよな。心臓がドキドキして、苦しくなってさ。笑ってる顔とか、泣いてる顔見るとなおさら」
高尾が言うことは全て当てはまっている。
だがオレが恋?その上高槻に?
今までそんな感情抱いたことがないから分からない。
それに高槻は秀徳バスケ部のマネージャーだろう?
「真ちゃんはバカみたいに鈍感だから気付いてないだろうけど、それを恋って言うんだぜ。それに真ちゃんのは動悸じゃなくて、単なる相手を意識してなるドキドキだって」
「どうすれば、いいのだよ」
「そうだなー……言うことが一番かな」
「言う?」
「そうそう。あなたのことが好きですーって」
「高槻に、か」
「うん。」
そんなこと、できるはすがないだろう。
どうしていいか分からない。
好きと伝えれば楽になるのか?
オレに恋愛の知識など、ほとんどと言っていいほどない。
「とにかく、好きって言う以外に解決策はねーよ」
「………そうか」