第12章 キミのせい
「オレが何をしたというのだよ……」
「…オレ、心結が怒鳴りつけるほど怒ったとこって見たことないんだけど」
「………クソッ」
オレだって今日初めて見てびっくりだ。
「それでも怒ってるってことは真ちゃんが何かしたってことじゃねーの?とりあえず心結が怒ってる理由を見つけて謝んねーと」
本当に何故あそこまで怒っているのかが分からないから困っているのだ。
もうオレにどうしようと言うのだよ。また具合が悪くなる。
その上その後の休み時間や放課後、廊下を歩いているだけで周りからヒソヒソと話をされ見られる。まぁ大概睨みつければ皆即座にやめるのだが。
この上なくイライラしてやっと一日を乗り越えた。
部活でも、イライラしているせいかいつもならはずすはずのないシュートを何度もリングにかけてはずしてしまう。今日は昨日以上に最低な一日だった。
心結に再度謝ろうと試みたが今度は明らかに向こうがオレのことを避けている。
避けられるとはこんな気分になるのか。
そうだ、そのことで怒っているのではないか?きっとそうだ。
様子を伺って今度また日を改めて謝るとしよう。
ずっとそんなことを考えているとあっという間に部活が終わってしまった。高槻もさっさと帰ってしまったし、今日のことは忘れて居残り練習をしようとすると、高尾が言った。
「で?言いたいことってなんだよ」
「……そうだったな」
すっかり忘れていた。
昨日心結に打ち明けたことと、今日の出来事で完全に動悸は治まり、高尾に相談しようとしていたこともすっかり忘れていた。
一安心して言おうか迷ったが、まだ完全に治ったわけではないと判断し言うことにした。
居残り練習をしている体育館は緑間と高尾以外に誰もいなく、絶好のチャンスだった。