第12章 キミのせい
緑間は深いため息をつくと、ガタっと音を立てていきなり立ち上がった。
「どこ行くんだよ?」
「高槻に話がある。ちょっと行ってくるのだよ」
「え、じゃあオレも……」
「だめだ。お前はここにいろ」
「オレがいたらいけないような話するワケ?」
「そうではない。…そうではないがお前に話を聞かれるのは不愉快だ。」
「真ちゃん酷すぎ心配してあげてるのにオレ泣いちゃうわ〜」
「すぐ終わる。いいからここにいろ。」
「へーい」
そう言うと高尾は緑間の席に腰掛けた。
緑間はいつも以上に眉間に皺を寄せてズカズカと教室を出て行った。
心結の教室に着くと、生徒それぞれが談笑したりしている。緑間はちょうど教室を出て行こうとする男子生徒に声をかけた。
「おい、」
「は、ハイッ!」
男子生徒はいきなり不機嫌な顔をした背の高い緑間に声をかけられたことに驚いて体を震わせた。
「高槻はいるか」
「えっと!高槻は…います!」
「呼んでもらえないか」
「わっ分かりました!」
男子生徒は駆け足で心結のところまで近寄りドアのところにいる緑間を指さした。
「おい高槻!あのバスケ部のやつが呼んでるぞ!」
「……ゲッ」
指さされた方向を見るとそこには不機嫌な顔をして立っている緑間の姿が。
何の用なんだ、今一番会いたくないのに。
行かないわけにもいかず、心結は恐る恐る緑間に近付いた。
「高槻…」
「な、何の用でしょうか……」
話したくない。今すぐ逃げたい。
昨日、いきなり家を飛び出していってしまったことを怒っているのだろうか。
今すぐ逃げたい気持ちを抑えながら心結は引き攣った笑顔で言った。
だが、返ってきた言葉はそれとは反対の言葉だった。